Tuesday 25 May 2010
Voyage aux vignerons des Côtes du Rhône 2 / ローヌ地方の造り手を訪ねて その2
By Mikako, Tuesday 25 May 2010 at 09:57 :: Voyages
場所を移して訪れた本日3軒目、そして最後の造り手は、Chavaneyを拠点とするDomaine Yves Cuilleron。
ジャーナリスト、団体グループ向けのティスティングスペースから始まり、カーブ内には主にワイン運搬用とはいえエレベーターも完備。瓶詰め、エチケット貼り、ストック用スペースはそれぞれ完璧に整備され、行く先の決まっているほぼ全ての在庫ワインたちは、買主からの依頼を待ってエチケットを貼り出荷される。ちなみにそれまではきれいにビニールで覆われ、塵ひとつかぶらず出番を待つ・・・
そもそも氏の祖父、そして伯父を経て引き継がれた3.5へクタール程度の畑を52へクタールまでに拡大し、現在は20以上のラベルを持つ Cuilleron氏。私達が訪れたカーブ自体も、1992年、1999年、そして2007年と3回にわたって工事、拡大されたのだそうで、200近い樽の半分には2009年が熟成中、そして半分は次なるヴィンテージ2010年を待つという。「う~ん・・」と感嘆の声を上げる私達に、ちょっと照れ臭そうに、でも誇らしげに接してくれた氏の印象は、差し詰めソフトな「ビジネスマン」。
試飲用に用意されたボトルは2008年、2009年の2ヴィンテージにわたる17本。駆け足ではあったけれども、手際良くシンプルに且つ的確な説明を加えながらの試飲は、他2造り手とも異なる満足感を与えてくれた。
さて、ヴィンテージ毎の印象を簡単に述べると、天候に恵まれず収穫量も造り手によっては半減したという2008年は、多くの造り手がCuvée Prestigeを造らず、ラベル数を減少している。ただでさえ少ない収穫量に加え、造り手自身が納得のいかない出来に対して高価をつけることに躊躇した故の決断なのだそうで、2002年のローヌ地方全体での悪天候以来、造り手によっては初めての出来事だとも聞いた。確かに例年に比べ葡萄の濃縮に欠け、全体的に軽い(薄い)印象を受けるヴィンテージではあったが、きれいな酸もあり、むしろ2007年よりも早く楽しむことが出来そうである。
本来であれば熟成を待って楽しむべきローヌワインのグランヴァンも、時には順序を入れ替えて楽しむことができるなら・・それもまた自然の悪戯とでもいうのかもしれない。
そして2009年は、私の前々回のブログ、ボージョレー・ヌーボーの回でも記述した通り、天候に恵まれ葡萄も熟し、出来の良い年であったため、樽の中からの試飲の状態で既に果実の熟した、甘味のある、そして色味も濃いポテンシャルを感じさせるもので、ボトルから試飲する日が大変待ち遠しい・・造り手たちからもそんな印象を受けた。
この日は昼食も造り手たちとご一緒するという栄誉に預かったが、そんなちょっと肩の力を抜いた時間での会話の中で印象に残ったのは、「我々はほんの20回程度の醸造経験があるだけなのだからね。」というGangloff氏の言葉だった。
20年(20回)の経験のうち、ましてや一度たりとも同じ結果を得ることはないのだから、自分たちは決して十分な経験を積んだベテランではないのだ・・・と、巨匠達(同席したCuilleron氏も大きく頷いていましたので・・)はいたく謙虚なのであった。
「Rhônes Vignobles」というサイトを持つ15のローヌ地方の造り手たちは、まさに今をときめく若き(!)Vignerons達(生憎とGangloff氏は登場しないのですが)。現在、ローヌの地で、家族からの畑を引き継ぎ、または自身でゼロから始めたワイン造りを担う造り手たちは多くがほぼ同世代なのだそうで(年齢、もしくは経験の意味で・・・)、彼ら曰く、まさにルネッサンスの世代なのだとか。
ローヌ地方は、これからも益々目の離せないアペラシオンになりそうである。



