『ふたりのオメガネ』

Tuesday 25 May 2010

Voyage aux vignerons des Côtes du Rhône 2 / ローヌ地方の造り手を訪ねて その2

場所を移して訪れた本日3軒目、そして最後の造り手は、Chavaneyを拠点とするDomaine Yves Cuilleron。

ジャーナリスト、団体グループ向けのティスティングスペースから始まり、カーブ内には主にワイン運搬用とはいえエレベーターも完備。瓶詰め、エチケット貼り、ストック用スペースはそれぞれ完璧に整備され、行く先の決まっているほぼ全ての在庫ワインたちは、買主からの依頼を待ってエチケットを貼り出荷される。ちなみにそれまではきれいにビニールで覆われ、塵ひとつかぶらず出番を待つ・・・

そもそも氏の祖父、そして伯父を経て引き継がれた3.5へクタール程度の畑を52へクタールまでに拡大し、現在は20以上のラベルを持つ Cuilleron氏。私達が訪れたカーブ自体も、1992年、1999年、そして2007年と3回にわたって工事、拡大されたのだそうで、200近い樽の半分には2009年が熟成中、そして半分は次なるヴィンテージ2010年を待つという。「う~ん・・」と感嘆の声を上げる私達に、ちょっと照れ臭そうに、でも誇らしげに接してくれた氏の印象は、差し詰めソフトな「ビジネスマン」。

試飲用に用意されたボトルは2008年、2009年の2ヴィンテージにわたる17本。駆け足ではあったけれども、手際良くシンプルに且つ的確な説明を加えながらの試飲は、他2造り手とも異なる満足感を与えてくれた。

 さて、ヴィンテージ毎の印象を簡単に述べると、天候に恵まれず収穫量も造り手によっては半減したという2008年は、多くの造り手がCuvée Prestigeを造らず、ラベル数を減少している。ただでさえ少ない収穫量に加え、造り手自身が納得のいかない出来に対して高価をつけることに躊躇した故の決断なのだそうで、2002年のローヌ地方全体での悪天候以来、造り手によっては初めての出来事だとも聞いた。確かに例年に比べ葡萄の濃縮に欠け、全体的に軽い(薄い)印象を受けるヴィンテージではあったが、きれいな酸もあり、むしろ2007年よりも早く楽しむことが出来そうである。

本来であれば熟成を待って楽しむべきローヌワインのグランヴァンも、時には順序を入れ替えて楽しむことができるなら・・それもまた自然の悪戯とでもいうのかもしれない。

そして2009年は、私の前々回のブログ、ボージョレー・ヌーボーの回でも記述した通り、天候に恵まれ葡萄も熟し、出来の良い年であったため、樽の中からの試飲の状態で既に果実の熟した、甘味のある、そして色味も濃いポテンシャルを感じさせるもので、ボトルから試飲する日が大変待ち遠しい・・造り手たちからもそんな印象を受けた。

この日は昼食も造り手たちとご一緒するという栄誉に預かったが、そんなちょっと肩の力を抜いた時間での会話の中で印象に残ったのは、「我々はほんの20回程度の醸造経験があるだけなのだからね。」というGangloff氏の言葉だった。

20年(20回)の経験のうち、ましてや一度たりとも同じ結果を得ることはないのだから、自分たちは決して十分な経験を積んだベテランではないのだ・・・と、巨匠達(同席したCuilleron氏も大きく頷いていましたので・・)はいたく謙虚なのであった。

「Rhônes Vignobles」というサイトを持つ15のローヌ地方の造り手たちは、まさに今をときめく若き(!)Vignerons達(生憎とGangloff氏は登場しないのですが)。現在、ローヌの地で、家族からの畑を引き継ぎ、または自身でゼロから始めたワイン造りを担う造り手たちは多くがほぼ同世代なのだそうで(年齢、もしくは経験の意味で・・・)、彼ら曰く、まさにルネッサンスの世代なのだとか。

ローヌ地方は、これからも益々目の離せないアペラシオンになりそうである。

Tuesday 20 April 2010

Voyage aux vignerons des Côtes du Rhône 1 / ローヌに造り手を訪ねて その1

4月12日(月)、まだまだ肌寒いパリの早朝、TGV(仏版新幹線)でフランス南部ローヌ地方へと出掛けました。

ローヌワインは、いまでこそラングドック・ルシヨンやプロヴァンスのワインとまとめて「南仏ワイン」と呼ばれることも多いようですが、歴史を辿ればフランスで最も古く葡萄の栽培が始められた地方なのだそうで、その昔はボルドーやブルゴーニュのワインにも負けない高値で取引が行われていたとか。    南北200kmに亘るローヌ川両岸に広がる葡萄畑は気候・土壌の全く異なる南北2つの地域に分けられます。北部は冬は寒く、夏は暑い大陸性気候で、花崗岩質の土壌が多いのに対して、南部は一年中比較的温暖な地中海気候、水はけの良い砂利の混じった土壌が多いのが特徴です。更に扱う品種も異なる両地域からは、当然、バラエティーに富んだワインが産まれることになります。

今回私達が訪れたのは、ローヌ地方北部、主に Appelation Côte Rôtie, Condrieu をメインに活躍する3人の造り手、三者三様、人柄の全く異なる造り手達でした。

SNCF(仏国鉄)のストの影響を受け、予定より2時間遅れで到着するというハプニングに見舞われた私たちに、「災難だったね。」と笑顔で対応してくれたのは、本日一軒目の造り手Ampuisを拠点にCôte Rôtie, Condrieu,そして近年より Saint-Josephを作る Domaine Gerin, Jean-Michel Gerin氏。22歳という若さでワイン作りを始めた氏は現在10種類ほどのラベルを持ち、更に2002年からはフランス以外の土地でもワイン作りを試みたいと、スペイン、Priorat地方でDomaine Trio Infernal を親友Combier氏(Crozes Hermitage), Ficher氏(Aix en Provence)と共に経営しています。

この日も一時間後には車でスペインのDomaineへ南下するのだという氏、忙しい合間を縫ってまずは「コレ」を見ておかないと!・・と、私達をかの有名なローヌ川沿いの急斜面の畑へを案内してくれました。慣れない私達にはまして、まっすぐに立っていることさえままならない斜面には、ピンク色をした芽が出始めていた頃でした。

一本の樹に平均3~4つの芽が出ていましたが、どの樹も上から2つ目までを残して後は取り除けてしまうのだとか。より質の高い葡萄を得るために、春の段階で一度、そしてさらに収穫量を落とす(!)ために行われるvendange verte(摘房)で一度、多くの造り手はこうして葡萄を厳選していきます。

畑のそこここに見られる石を積み重ねた壁は、急斜面の地崩れを防ぐのが主な目的ですが、この壁を作ること自体がまた気の遠くなるような作業であることは想像するまでもなく・・・

カーブに戻って駆け足の試飲の後、スペインへと旅立った氏の印象は「エネルギッシュ」そのもの、果実味豊かなDomaine Gerinのワインは、まさに氏のパワーが詰まったワインなのだと改めて納得。。

そして次に私達が訪れたのはCondrieuを拠点とする, Domaine Mathilde et Yves Gangloff。小川のほとりに立つ田舎家風のカーブは、それだけで訪れるものを彼らの世界に引き込むような魅力に溢れていました。迎えてくれたGangloff夫妻と私たちの足元を離れようとしない2匹の犬と一緒に過ごした樽からの試飲の時間は、その後のサロンでのテーブルを囲んでの時間に引き続き、まるで友人として迎えられたかのような、そんな錯覚に陥るかのような時間でもありました。

そもそもがアルザス、ストラスブール出身のイブ氏がDomaine Delasでの経験を経て、自らもワイン作りを始めたのは20年ほど前のこと、文字通りゼロからのスタートだった氏はいまや押しも押されぬローヌのスター。Côte Rôtie, Condrieuに加え、近年よりSaint-Josephも加わったとは言え、ほんの8へクタールあまりの畑から作られるワインは世界中からの需要もあり常に「完売」の状態。その貴重なストックの中から私達がご相伴に預かった2001年のCôte Rôtie, La Sereine de Noireは今やなかなか手に入らないという意味でも、貴重な、そして忘れがたい一本となりました。

そして、そんなGangloff夫妻の印象は、醸造家というよりも・・どちらかと言えば「芸術家」とでも言うような、優雅で知的なお二人でした。

                              ・・・その2へ続く

Friday 13 November 2009

Millésime 2009, ヴィンテージ2009一番乗り

本ブログ久々の更新は、気になる最新ヴィンテージ2009年についてお話ししたいと思います。

 皆さんは既に本ヴィンテージの評判を耳にされたことがおありでしょうか? 

 好天に恵まれ、フランス全土で例年より早くに収穫が始まった2009年は、果皮が厚く小さな果実から肉付きも良く、果実味、タンニンもしっかりとした果汁が得られ、既にこの最初の段階で2005年にも勝るとも劣らない出来になるのでは?と予想されています。ただし、日照の強い年の弊害として、生憎収穫量が少なく、皮肉にも、それもまた「歴史的ヴィンテージの条件」と噂される「要因」となっている様です。

 さて、皆さんが一番最初に口にされるヴィンテージ2009年は、11月第3木曜日に解禁されるボージョレー・ヌーボーを始めとする「新酒」たちとなります。

 代表的なボージョレーの「新酒」は、ご存知の方も多いように「マセラシオン・カルボニック製法」で造られ、収穫した葡萄を破砕せず、房ごと直接タンクに入れ、果汁の発酵と共に生成される炭酸ガスの力を借りて、果皮からの色素を抽出します。

 通常この製法で造られるワインはタンニンが少ない割りに色が濃く、渋味や苦味が少なく仕上がります。炭酸ガスの効果で酸化が防止されるため、ワインはフレッシュに仕上がり、ボージョレー・ヌーボーが全体的に軽い印象を受けるのはそのためです。

 さて、このように非常にシンプルなワインの造りになにより大切なのは、当然、健全な葡萄を使うことです。

 天候条件に恵まれ、葡萄樹の衛生状態良かった2009年の果汁は、前述の肉付きの良さ、程よいタンニンと果実実に加え、爽やかさを備え持つバランスの良さ・・・とまさに完璧な表現が聞こえてきています。

 この季節、フランス各地でも「新酒」を楽しむ大小のお祭りが催されます。その年の収穫を祝い、今年もまた美味しく「初物」を飲めたと健康に感謝するのがそもそもの謂れだそうです。

 「ボージョレー・ヌーボーなんて興味がない!」とおっしゃる皆さんも、まずはこの年の収穫を祝い、2009年のワインの行方を占う意味で、今年の「新酒」を召し上がられては如何でしょうか?

 尚、弊店も、例年同様、11月第3木曜日19日10時より「ボージョレー・ヌーボー」の試飲会を行います。

 皆さま、是非お気軽にお立ち寄り下さい!

Friday 7 March 2008

ワインブーム@韓国

日本でワインを題材にした漫画が人気になっているのは、ワイン好きでない方でもご存知のはず。かく言う私も、帰国の度に新刊を買い揃える友人たち(1人ではない・・)に借りて、楽しませてもらっている。

世界的なワイン評論家の莫大な遺産(もちろんワイン!)を誰が受け継ぐかをかけて、彼の残した難問を解いていくストーリー。12の問いの答え(こちらももちろんワイン!)が明かされると、そのワインが実際に市場でもブームとなっているようで。私などは到底及ばない、それはそれは詩的で且つドラマチックな表現で語られるワインが、あまりにも美味しそうで、読者が是非一口そのワインを味わってみたいと思うのは当然だろう。そして、日本で入手の難しいものを、ならば本場では・・と思うのもまた当然で、その頁のコピーを手にパリに、そして弊店にいらっしゃるお客様も少なくない。

そしてそのブームが、お隣の国、韓国にも伝わって、今や大変な人気だと聞いたのは昨年だろうか。気が付けば、韓国人のお客様も増え、しかも皆さん既にかなりのワイン通。アジアという共通項があるとは言え、言葉の違う私達だが、大変熱心に私の話を聞いてくださる姿には、いつも大変好感が持てる。

隣り合う国を持たない日本にとって、近隣のアジアであろうが、ヨーロッパであろうがその距離は変わらない様に思う。むしろ今となっては、ヨーロッパの方が近い存在であると言っても良いのではないだろうか。それゆえに、お隣の国と、共通の媒体で共通の楽しみを持てるというのは、悪い話ではないように思う。

さて、大ブームが一息ついてワインが生活に定着し始めると、人々が何を考え始めるか。それはもちろん自分たちの食文化とのマリアージュ(上手な組み合わせ)ではないだろうか?日々の食卓でいかにワインを楽しむか、特別な料理とではなくて、普段の食卓の馴染みのあるメニューとの晩酌。すっかりワインに魅了されてしまった人達が、そう望むのは当然のことであろう。私がこちらで読んだ例の漫画の最新刊(日本には随分遅れていますが・・)では、まさに韓国料理とのマリアージュがテーマになっていたが、さて、果たして香辛料、特に唐辛子を使う量が圧倒的に多い韓国料理とワインの相性は?というのが、課題になっているようだった。

 私が最近懇意にさせて頂いている韓国料理店のオーナー氏は、現在ワインリストを充実させることに大変熱心である。私ども、タイユヴァンのサイトに日本人のソムリエを見つけて、わざわざ私にコンタクトを取ってくださった方で、フランス人よりも日本人(アジア人)の方が、恐らく料理との相性をより的確に分かってくれるだろう・・と、そう思われたのだそうで、これを伺った時には責任重大!と思ったと同時に、大変光栄だと思ったものだった。

実際、レストランに伺ってみて、第一に驚いたのは、確かに辛味が強い料理もあるけれど、決してそれだけではなく、むしろ繊細さが第一の印象に残ったこと。日本料理もそうだけれど、例えば味噌汁とワインは決して相性の良い組み合わせではないと思う。それはフランス料理に置き換えても同様で、スープに合うワインはない・・と断言しているソムリエがいるくらいなのだから、何も無理に味噌汁やスープにワインを合わせなくても良いだろう。

でも一方で、甘味やこくのある日本料理と合うワインは一杯あるし、魚料理も生から焼いたものまで、ワインの相性は決して悪くないはず。

では、韓国料理で言えば、キムチに敢えてワインを合わせる必要はないのではないだろうかと思う。でも、その他のシーンで料理の相性は可能性も様々だと思うし、むしろ自分たちの好きなワインをその時々に楽しみながら、逆に料理を選ぶという手もあるのではないだろうか。

マニュアル通りに選ぶのではなくて、まずは好きなワインがあって、そしておつまみ代わりに料理があるのでもよし、逆に、料理に合わせて最大限の可能性を試してみるのもよし。

オーナー氏曰く、韓国人のお客様は骨格のある濃い目の赤ワインがお好きだそうで、白ワインはまだまだあまり人気がないのだそうだ。ましてや、自然派ワインなんていう定義はまだまだ存在しないのだろうなと想像する。確かに、今のところ弊店にいらっしゃるお客様も、有名シャトーや作り手のワインを探している方が多くて、「お薦めワインを・・」という方にはまだお会いしてないと言っても大袈裟ではない?

日本人がそうやってワインを飲み始めたように、今はまだ漫画やメディアで紹介されるワインを試すことで精一杯なのは、当然。でもいずれ、彼らの選択が、「それ以外」のワインにも及ぶようになったら、その時がまた楽しみでもある。なんだか強力なライヴァルの登場を待つように。。。

Wednesday 3 October 2007

Saumur, ロワールへの小旅行

久々のブログは、9月初めに訪れたロワール地方、「フランスの庭」と言われるSaumurのご案内より。

ご存知の通りロワール地方は「城(Château)」が多いことで有名ですが、その多くは領主やフランス国王が主に別荘として建てたもののようです。一方、豊かな自然にも恵まれるこの土地は、それ故に別荘地としても人気があったのでしょう。

昼食は作り手の持ち寄ってくれたワインを飲みながら。レストランの側で見掛けた修道院・・だろうか。

今回の旅の目的は、例によってワインの作り手を訪ねることでしたので、生憎と「お城巡り」は出来ませんでしたが、その代わりにこの地域ご自慢の自然及び大地に触れてきました。

早朝7時、Montparnasse駅発のTGV(フランスが誇る高速列車で、新幹線を上回る高速記録を持つとか・・)で、1時間余り。更に駅から1時間ほど、今回の旅のオーガナイザー氏の運転で、いよいよ目的地Saumur の街へ。初めて訪れる街はなんともチャーミング! 手入れの行き届いた家々のかわいらしさに、眠気も忘れて気が付けばすっかり魅せられていました。

私達が今回訪れたのはAppelation Saumur 及びSaumur Champignyを持つClos Rougeard, Domaine Guiberteau そしてBourgueil のDomaine du Bel Air (Pierre Gauthier) の3軒。赤は Cabernet Franc、白は Chenin Blanc と、それぞれ単一品種からワインを作る3人の作り手は、それぞれにこだわりを持つ非常に評価の高い作り手たちで、ここに彼らを讃える言葉を並べたらきりがないので、極々シンプルに紹介するに留めようと思います。

Gauthier氏が最近手に入れたという由緒あるこの畑、丁寧に手を掛けてあることが素人の目にも一目瞭然でした。

Cabernet Franc と言うのは、ボルドーでも用いられる品種で、十分に熟した葡萄を収穫してワインと作らないとその青臭さが先行してしまうため、これを「苦手」と言う消費者の方も多いかと思います。しかし彼らのワインはもちろんこれには相当しません。時にブルゴーニュ「ピノ・ノワール」を思わせる繊細な色合いと味わいを見せるもの、果実の凝縮度から甘味と複雑味、そして心地よい余韻を残すもの、渋みだけからくるのではないワインの骨格と風格が感じられます。 

一方、Chenin Blanc は、主にロワール地方で用いられ、Bordeaux に全く引けをとらない甘口ワインを作る品種でもあります。酸やミネラルが印象に残ると同時に、白い花の香りと蜜の余韻。ロワールの白と言えば、Sauvignon Blanc ばかりと思っている方は是非、こちらもお試しあれ。

ヒミツの洞窟のような鬱蒼とした入り口は、ある作り手のカーブの入り口でした。ヒラケゴマ!!

パリからほんの数時間、皆さんにも是非美味しいワインとの出会いがありますように!!

Thursday 10 May 2007

サヴォワ・3つの驚き

先日、かねてから気になっていたワイン産地、サヴォワを訪れた。

ワインの世界において“サヴォワ地方”は、“ジュラ地方”とまとめて語られることが多く、特に日本のワイン好きたちにとっては、その実態がはっきりしない、どこかしらヴェールをかぶったようなところのあるワイン産地であった。

しかし、まさに“百聞は一見に如かず”・・・実際に行ってみると、頭に描いていた“イメージ”というものが、単に“頭の中だけ”のものであったことを思い知らされ、さらにいえば、それがどれだけ間違いを含んでいたのかも浮き彫りにされた。

今回のサヴォワの旅が私にもたらしたものは、まさにそういった、既成のイメージの崩壊であった。

4月といえば例年は、アルプスの山々でまだスキーが楽しめる時期である。実際、標高の高い山々は、春スキーに訪れた人たちが多かったに違いない。しかしそれは、ごく限られた地域であって、それだけがサヴォワの全てではない。

今年はいつになく暑い4月となった。まるで、夏が一足飛びにやってきたかのような日差しに、わずかに閉口してしまうくらいであったのだが、しかしよく考えれば、ワインを作る産地というものはどこも、日当たりのよい、比較的気温の高い場所でもある。サヴォワばかりが例外であるはずもなく、そのことを改めて感じたわけだが、それにしても今年はちょっと例外的である。

とはいえ、“サヴォワ”イコール“寒冷地”といった印象は、一瞬にして吹き飛んだ。確かに連なる山々の上部には雪が白く光っていたが、麓の斜面に広がるブドウ畑は、まぶしい陽光をいっぱいに浴びて、非常に暑かった。

まずはこのギャップが“驚き”の一つで、サヴォワのイメージは一新されたわけだ。

もう一つ、サヴォワの名産物にまつわる“驚き”があった。

サヴォワ地方の郷土料理として知られるももといえば、名産の“ルブローション”をはじめ、各種チーズを使ったものが、まず頭に浮かぶ。 例えば、冬にうれしい名物料理“ラクレット”や“チーズ・フォンデュ”など、雪に覆われた山小屋で食べるような印象がある。それでも、チーズとジャガイモさえあれば手軽に楽しめてしまう“ラクレット”などはパリの家庭でも人気があるようで、専用の家庭用調理器(といっても、それほど凝ったものではないが)は“一家に一台”といえるほど、あちこちの家庭で必需品となっているようだ。   チーズの他には何があるのかというと、やはりどこでも見かけるような“生ハム”などといった、保存のきくものがある。このあたりも、いかにも山の名産といったイメージが強いだろう。

つまりは、サヴォワの名産は基本的に“山のもの”であって、魚などは無縁の世界のように思っていた。だから、今回訪れたレストランのあちこちで“名物の魚料理”といわれたときには、ちょっと戸惑いを隠せなかった。 その答は“湖”にあった。スイスやイタリアに接し、アルプスの恩恵を受けるこのサヴォワ地方は、レマン湖やアヌシー湖など、多くの湖に恵まれている。つまりこの地方でいう“魚料理”とは、いわゆる淡水魚、湖の魚たちである。これもまた、もう一つの“驚き”となった。

今回のサヴォワの旅は、ワインの作り手を訪問するのが大きな目的だったのだが、その土地なりの食事ももちろん楽しみの一つである。こんな場合、その作り手にお薦めの店を聞くと、ほとんど間違いがない。 彼らがそれぞれに薦めてくれたレストランに行ってみると、それはどこも湖畔の店であった。やはり名物は湖の魚。特に“Féra(フェール・コクチマス属の魚)”と呼ばれる、白身でちょっと淡白な味わいの魚は、このアルプスの湖の名産であるという。ムニエルにして、クリーム系のソースをかけたものが主流のようだ。今回訪れた店では、それに付け合せにキノコのソテーとほうれん草のフラン(温かい卵寄せのようなもの)が添えられ、確かにパリのような斬新なスタイルではないが、窓越しに湖の見える絶景とともに、見て楽しく、食べても楽しい・・・そんな昼食を満喫できた。

さて、では第三の驚きは・・・それは、サヴォワのワインにあった。

前述のように、ワイン産地としては“ジュラ”とひとまとめにして扱われてしまうことの多い“サヴォワ”だが、この二つの産地のワインは、全くといっていいほど別物であり、その品種もスタイルも、大きく異なる。

それに、やはり冷涼な気候のように思われがちなため、白もかなりスッキリした、若飲みタイプのものが多いように思ってしまうが、なかなかどうして、実にふっくらとした厚みがあり、白も熟成を重ねて味わいを増すといったようなタイプのものも多い。 先ほどふれたレストランは、実はワインリストもとんでもない。サヴォワのワインがこれだけそろう店も、まずないだろう。今回、地の魚に合わせて“ルーセット”の2001年を頼んだが、見事な色合い、ふっくらと熟成を重ねた、深い味わい、そして何より、アルコール感のあるサヴォワ・ワインのポテンシャルに、改めて驚かされた。 また、白に限らず、サヴォワの赤として名高い“モンドゥーズ”などは、5~10年の熟成を経て、ようやく開いてくるといった、長熟のワインでもある。それは、下手なボルドーやブルゴーニュなどでは到底及ばない、高いポテンシャルの持ち主でもある。

この店のワインリストは、ひとえにソムリエたるマダムの息子さんの手腕にかかるところが大きい。実は彼も、いわゆる自然派ワインに魅せられた一人で、そのきっかけはローヌの自然派として知られる、とある日本人が手がけたワインであったという。 「彼に会ってみたいんだけど、まだ、そのチャンスがないんだよ・・・」 そう語りながら、1本の赤ワインを開けてくれた。それはその“憧れの日本人”のワインである。やさしい味わいが何より魅力のこの手のワインは、それこそ食事を選ばないといってもいい。

私たちも、そして何より彼が、飲みながらついつい肯いてしまったのだが、いやはや何より、このサヴォワの地でローヌのワインを飲むことになるとは、やはり“いいものは時代と空間を越える”とは、真実だったのだろうか。

知る人ぞ知る、サヴォワの名店・・・いいものは、どこにでも眠っているのだということが、今回の旅での、一番の驚きだったのかもしれない。

Thursday 3 May 2007

Metro、地下鉄の乗客たち

パリの地下鉄は「Metro(メトロ)」と呼ばれ、東京でいえば山手線の内側に収まってしまう程度の小さなパリを、東西南北に1号線から14号線までがそれこそ網の目のように走っている。ちなみに1号線は第3回パリ万博に合わせて1900年に開通され、既に100年以上の歴史を誇るのだそうだ。

有名なアールヌーボー調の駅の入り口が現在でも残るメトロは、パリのイメージに欠かせない存在でもあり、映画やCMなどにも度々登場している。記憶に新しいところでは「アメリ(Le Fabuleux Destin d'Amélie Poulain)」。実は、映画に使われた駅は、それこそ「シネマ」という愛称を持つ、実際には使われていない廃ホームなのだそうだ。

さて、皆さんが既にご存知であろう話しはさて置き、今日はメトロの様々な乗客たちをご紹介してみようと思う。

まずは、乗車するまでに出会う人たち。駅の大小に関わらず、ホームに着くまでの通路では、様々な音楽家達が活動している。彼らは「パリ市交通営団 (RATP)」の厳選なる審査(コンクール)を通過し、公式に活動の許可を得ている。芸術に関しては、より寛容なこの国のことゆえ、思い思いに足を止め「チャリン!」と鑑賞料!?(コイン)を落としていく人も少なくはない。

そして車内には、人に限らず犬が多いのもパリらしく、こちらに来たばかりの私には大変印象的だった。本来であれば、動物は移動用の籠に収まるサイズの小型動物のみ、それも人と同様に切符を買って乗車する・・・というのが原則だけれど、お構いなしの飼い主たちは、鎖に繋がれてこそいるとは言え、犬を伴っていとも平然と乗り込んでくる。犬たちはといえば、ごろんと足元に寝そべって、メトロに怯える様子もないからやはり慣れているのだろう。

次に、車内で活動する人たち。楽器を演奏する人、歌う人、人形劇を始める人、そして自身の窮乏を朗々と語る人・・・

「調律」なんてことは忘れられて久しいヴァイオリンを奏でる人、エリック・クラプトンばりのギタリスト、中南米からはインカの香り、アコーディオンで懐かしのシャンソン・・・  忘れられないのは、自身の困難、失業→路上生活→家族を養う難しさ・・・を涙ながらに訴えて、車内をひっそりと静まり返らせた人。

活動する人たちの目的はもちろんひとつ、車内を回って、小銭、メトロの切符、タバコ・・・なんでもござれを頂戴すること。同調して下さる方はどうぞお気持ちを・・・と言った感じで。そんな彼らが、最初と最後にきちんとご挨拶を忘れないのは、こちらの文化、いや習慣なのだろうか?

余談になるが、メトロの中には地上を走る区間のある線が幾つかあり、例えば私の利用している6番線もそのひとつ。セーヌ川を渡るその瞬間、あのエッフェル塔が素敵な姿を現す。不思議なもので、その姿を確認するかのように、乗客たちは必ずちらっと顔を上げる。私もそのひとりであるのはもちろんのこと。

Friday 27 April 2007

Dégustation Samedi 28 Avril 2007,  

今週は、リリースされたばかりのMoët & Chandon 社のvintage 2000より、Brut, Roséをそれぞれご試飲頂く予定でおります。

また、シャンパンは苦手という方には、Alsace地方より下記のワインもお楽しみ頂く 予定でおりますので、是非お気軽にお立ち寄り下さいませ!

Blancs :

Pinot gris 2004 Domaine du Windmuehl Riesling, Le Kottabe 2004 Domaine Josmeyer

Rouges :

Pinot noir 2004 Domaine Albert Mann Pinot noir, « E » 2005 Domaine André Osterstag

Monday 16 April 2007

ブルターニュ食紀行 その2 <バターにまつわるエトセトラ>

ブルターニュ名物の“ウマイモノ”を思い浮かべてみると、どれもバターを使ったものが多いことに気付く。確かにお隣のノルマンディ地方も乳製品は有名だけど、そちらはむしろ、カマンベールやリヴァロ、ポン・レベックといったチーズの方が名産。バターはやはり、ブルターニュのお家芸だろう。

よく「醤油を使わずに和食は成り立たない」というが、それと同様に「バターを使わないフランス料理などありえない」とまでいわれる程だから、その消費量といったらない。確かに南仏ではオリーブ・オイルが一般的だから、北へ上るほど、バター率が高くなるといえそうである。

そんなフランスにおいて、バターは大きく2つの種類に分かれる。一つは“demi-sel(ドゥミ・セル)”と呼ばれる有塩バターで、普通に料理をする際に使われる、一般的なもの。そしてもう一つは“deux(ドゥー)”と呼ばれる、いわゆる無塩バター。こちらはお菓子などを作るときに使われるようである。

恐らく作る過程で、もしくは保存の関係で、バターには伝統的に塩を入れていたのであろう。それが技術の進歩や、お菓子への需要などから、無塩のものが作られるようになったと思われる。確かに無塩のものは、有塩のものより賞味期限が短いようだ。

しかし、バター天国のブルターニュでは、お菓子にも有塩バターを使ったものが多い。 周りを海に囲まれ、塩も特産とされているせいだろうか、ブルターニュの有塩バターは、濃さがあってクリーミーなところに、ミネラルの程よくきいた塩の味わいが、かなり絶妙である。それがまたお菓子の甘さと混ざり合うと、その塩味がまさにアクセントとなり、 味わいに奥行きを作り出してくれる。もう、思わず微笑んでしまうしかない。

そんなブルターニュの、バターを使った名産品たちを、ちょっと紹介してみよう。

○バターの味わい、いろいろ

まずは、バターそのものから。ノルマンディとの境界に当たるといわれるSaint Malo(サン・マロ)は、海と城壁に囲まれた町である。その城壁に囲まれた旧市街の中に、知る人ぞ知る、有名な乳製品の店がある。

もちろんチーズも扱っているのだが、ここのウリはなんといってもバター。パリをはじめ、いくつもの星付きレストランが御用達にしているらしいここのバターは、シンプルな“demi-sel(有塩)”や“deux(無塩)”はもちろんのこと、海藻やスパイスを混ぜ込んだものなど、バラエティに富んでいる。白身魚を、この海藻入りバターでムニエルにするというのも、どちらかの星付きの一皿だとか。スパイス入りのものも、様々な料理にアレンジできる。

店内のショーケースには、大きなバターの塊が! 「どうやって買うの?」と思っていると、お店の人は「何グラム? 250でいい?」なんてきいて訊いてきてくれる。言われるままに「はい !」というと、お店の人はおもむろに、その大きな塊から木ベラで手際よく取り分けたかと思うと、馴れたて手つきで2本の木ベラを使って、直方体のいわゆるスーパーに並ぶバターの形に整えていく。最後は紙で包んで出来上がり。この手際が、見ているだけでも面白い。(しかも、安い!)

単にパンにつけて食べてもいいが、このところ出始めた春の野菜たち、特に鞘から剥きたてのグリーンピースなどをさっと茹でて、このバターでシンプルにソテーしていただくのも、かなりウマい。塩など全く加えなくても、それだけで楽しい一品となり、食卓が華やぐ。   贅沢をする必要はないが、日常消費するものにちょっとこだわると、テーブルが全く別物になるというのも、フランスの楽しみ方の一つである。

○塩バターキャラメル(Caramel au beurre salé)の可能性

バターを使ったブルターニュの名産といってまず思いつくのは、この「塩バターキャラメル」だろう。様子は、いわゆる日本のキャラメルに似たものだが、味わいは全く違う。

まずバターがおいしい上に、それをカラメル化させて甘みをつけることで、しょっぱさと甘さとほろ苦さが、口の中いっぱいに広がる。しかも、それほど噛まずとも、自然とトロけてしまうような滑らかさ。まさに「やめられない、とまらない」といった、後を引く味なのである。

しかしもっと驚きなのは、このキャラメルに秘められた可能性である。今回めぐり合ったのは、まずは「アイスクリーム」。単なるヴァニラアイスに、この塩バターキャラメルが混ざっているだけのものなのだが、そもそもヴァニラアイス自体が、日本とは比べ物にならないほどおいしい上に、このキャラメルである。海風がちょっと肌寒い時期だったが、それでもこんなアイスクリームなら、いつでも楽しめてしまう。

他にも、クレープにとろけたキャラメルと生クリームをタップリかけた、それこそブルターニュのスペシャルな一品もあった。後ほど話すが、クレープもブルターニュの名物であり、かなり大きく見えても、ペロッと食べきってしまうので、後がちょっとこわいような気がしてしまうのだが…でも、これも至福のときである。

○そば粉のクレープ

日本では、クレープというと“お菓子”の部類に入るだろうが、フランスでは立派な食事となる。これもブルターニュの名物で、日本と違うところは、そば粉を使っているということだ。

やはり万国共通、寒いところでは“そば”が栽培され、人々の糧となってきた。ここブルターニュも寒冷地で、よって“そば”を上手に活かした食べ物が発展してきた。

今や、パリでもあちこちで見かける、この“そば粉のクレープ”。比較的、スローフード志向のフランスにあって、結構人気の高いファーストフードなのである。

一般的なのは、ベーコンやハムなどとチーズ、目玉焼きの組み合わせ。チーズのおかげで、結構お腹にたまる食事となる。

「でも、バターとのつながりは?」と、疑問に思われている方もあるだろうが、このクレープを焼くにも、やはりバターが大活躍。カリッとした焼き目をつけるには、どうしてもはずせないものとなっている。

○クイニイ・アマン

一時期日本でもブームを起こしたお菓子といえば、この「クイニイ・アマン」だろう。パイ生地を広げるのではなく、筒状にクルクル巻いてから輪切りにし、オーブンで焼いたこのお菓子は、まさにバターが欠かせない。

さくっとしながらもしっとりしたところもあり、何より表面の砂糖とバターの塩味が程よくマッチ。かなりカロリーの高そうなお菓子だが、すぐにペロッといけてしまう。これもこわい。

また、ブルターニュの名物お菓子としては、その名も「gateau de Bretagne(ブルターニュのお菓子)」という、中にプルーンなどのフルーツが入った、柔らかい焼き菓子もある。これにもバターは欠かせない。

このように、食事にお菓子にと、かなり大活躍しているバター。それはまさに、ブルターニュの食生活には、切っても切れない、重要な食文化の担い手なのでもあった。

Friday 13 April 2007

Dégustation Samedi 14 Avril 2007,  

今週はジュラ・サヴォワ地方より、下記のワインをお楽しみ頂く予定です。

Les Blancs : Arbois Pupillin, Chardonnay 2002 Domaine Overnoy Chignin Bergeron 2004 Domaine Gilles Berlioz

Les Rouges : Arbois Trousseau 2004 Domaine Stephane Tissot Mondeuse, Cuvee Guillaume Charles 2002 Domaine G.Bouvet

週末もお天気に恵まれそうです、お出掛けのついでに是非お立ち寄り下さい!

Friday 6 April 2007

Dégustation Samedi 7 Avril 2007,

今週はラングドック地方より、赤・白2種ずつをお楽しみ頂く予定でおります。太陽一杯の土地ならではのワイン達を是非お楽しみ下さい!

Friday 16 March 2007

Bacchanales 2007, セール&テイスティング!!

3月15日、木曜日より弊店恒例の Bacchanales (バッカス祭→ワインセール)を開催致します。お馴染みの商品から、新顔まで様々に取り揃えたワインたちをご試飲頂いた上で、ご購入頂けます。

是非この機会をご利用下さい!

Digestif の薦め、Calvadosはいかが?

食後酒を嗜むというのは、日本ではまだ馴染みの少ない習慣であろう。その一番の理由は、比較的あっさりとした脂分の少ない和食には、主に消化を助ける目的で、アルコール度の非常に高い酒を飲む必要がないから?だろう。

フランスには、所謂食後酒の扱いとなる「蒸留酒」として、代表的なものに、葡萄から作られるCognac(コニャック)、Armagnac(アルマニャック)、りんごから作られるCalvados(カルヴァドス)があり、更に葡萄やりんご以外の果物から作られる「白い」蒸留酒といわれるものもある。これらは総称してEaux-de-Vie「命の水」と呼ばれ、そもそもは薬のように用いられていたものだが、「命を永らえる力がある」として、13世紀ごろからそう呼ばれるようになったのだとか。

この「命の水」、私も食後にほんの少し頂くことがある。少しずつ色々と試しては、研究に余念がない日々だが・・・なかでも最近気になっているカルヴァドスにかこつけて、先日は、ノルマンディー、ブルターニュ地方を訪れてみた。そして思いがけず「りんご」の世界に大いなる発見をすることが出来たというわけ。

まず、Calvadosには、Calvados Domfrontais, Calvados du Pays d’Augeそして Calvadosと3つのAppelation(原産地呼称)があるということ。それぞれの大きな違いは、使用するリンゴと洋梨の比率の違い。つまり・・・カルヴァドス=シードルから作られる蒸留酒とばかり思っていたものは、アペラシオン(産地)によって、洋梨を加えることが可能で、その比率は更に産地ごとに違い、Pays d’Auge では最大15%まで、そして Domfrontaisに至っては最大70%まで洋梨の混醸が可能なのだそうだ。

その結果、風味の違いはというと、洋梨が加わることによって、カルヴァドスはより繊細で、口当たりが柔らかくなる。その違いはシードル(リンゴの発泡酒)とポワレ(洋ナシの発泡酒)という蒸留する前の段階でも歴然としていて、甘味も余韻もより繊細なポワレを蒸留すれば、当然の違いだろうと思われる。   Domfrontais で私達が訪れた作り手は、最大の70%迄洋梨を加え、更にアルコール度数は40度(カルヴァドスとして認められるのは、40~45度。)に抑えることで、単なる「アルコール」としてではなく、最大限に繊細な味わいに仕上げている。250本から300本近いリンゴと洋梨の木を持つ彼らの広大な土地を散歩して、乳牛たちの声を聞き、古いカーヴでカルヴァドスのあれこれを教わって、そして彼らの自宅の居間でご馳走になった6年ものから100年もののカルヴァドスは、どれを大変柔らかく、香り深く、あまいのが印象的だった。

皆さんも、食後酒など試してみませんか?

Friday 9 March 2007

Dégustation Samedi 10 Mars 2007,  

今週は各地より、シャンパンにも負けぬ「泡もの」たちをお楽しみ頂く予定でおります。

SYDRE Eric Bordelet

CLAIRETTE DE DIE Monge Granon

CREMANT DE BOURGOGNE Domaine Vitteaut Auberti

VOUVRAY PETILLANT 2000  Domaine Huet

是非お気軽にお越し下さい!

Friday 2 March 2007

今週土曜日はいままでにない、異色の顔ぶれを予定しております。

リキュール LIQUEUR DE PAIN D’EPICE Distillerie Miclo

シェリー JEREZ SEC Tio Pepe

イタリア、甘口ワイン DINDARELLO MACULAN 2003 Veneto Muscato

ウィスキー PRESTONFIELD Blended Scotch Whisky SA

を試飲頂く予定でおります。是非お気軽にお立ち寄り下さい!!